初回講習では、超初歩的なことだけしか学ぶことができなくて、それだけで、いきなり東京湾に漕ぎ出すにはさすがに恐れがあるので、もう少しきっちりとクルージング技術を身に着けるために準備されているロング操船セミナーを受講した。
ロングと言ったらどのくらいのクルージングなのか。東神奈川から出航して羽田空港までの往復という。片道1時間程度ということらしい。
さすがにこんな真冬にセミナーの受講者はいるのかちょっと心配(2名以上で実施との条件)だったが、私以外にも1名おられたということで無事に実施となった。
半日の初回講習とは異なり、午前中はみっちりと座学、そしてロープワークの実習とショーとクルージング。
座学では各種救命胴衣の特徴の扱い方、信号所の信号の意味と×が表示された際の注意点、臨検された場合の対応方法など、東京湾で安全に操船するには必須となる実務知識を詰め込まれた。
続いて、埠頭の上にてロープワーク。巻き結び、もやい結び、クリート結びなど。それぞれの間違えポイントとその理由などをおさらい。ロープワークはちょっと練習するとすぐに覚えそうなのだけど、やらないとすぐに忘れてしまうもの。繰り返して習得しておかないといざというときに使えないことになりかねない。地道に練習あるのみ。
続いて、離岸、接岸の練習、右側、左側それぞれ。離岸はそれほど緊張はしないが、接岸は埠頭に船をぶつけたら大変なので、結構緊張する。練習の場面では講師が適切なタイミングで舵の切り方を声がけしてくれるのでできたつもりになるが、いざ、誰もいないところで自分だけの判断でうまくできるか否か。結構心もとない。
午前の最後にベイブリッジまでのショーとクルージング。ちょっと肌寒いが、風はなくピンと引き締まった空気が気持ちよい。



そんなこんなでロングクルージングの時間に。
東神奈川の運河から出航し、ベイブリッジを前方に見ながらしばらく進み、大黒ふ頭を右手に見ながら左に進路を変更し、大黒橋をくぐり、右手に鶴見つばさ橋を見ながら京浜運河に入る。あとはひたすら京浜運河を進み、運河を抜けると羽田空港はもうすぐ左手に。D滑走路を右手に見ながら多摩川方面に進むと、正面にA滑走路の進入灯が見えてくる。進入灯の延長線上で停泊し、滑走路と反対側に目を向けると、A滑走路に着陸する飛行機が次々と近づいてくるのが見える。こんなに間隔が狭いものかと驚くほど次々に飛行機が下りてくる。そして、止めているボートの頭上を飛び越して滑走路に降りてゆく。なかなかの迫力だ。


10分ほど停泊した後に帰路に。東京湾を見渡すと、全くの波が立っていないべた凪。講師によるとこれほど述べた凪はめったにないとても珍しいとのこと。通常であれば、往路で通った京浜運河を戻るそうだが、東京湾がべた凪というめったにない機会なので、帰路は東京湾を航行するという。東京湾といっても運河とは違い風の影響はもろに受けるため、少しでも風が吹いているとそこそこの波が立ち小型ボートにとって航行するのは大きく影響を受けるとのこと。
先ずは、アクアラインのトンネルの途中にある風の塔を目指して沖に出る。しばらく航行した後に進路を220°に定めて航行。ここからは、目標物を目指す航行ではなく、GPSの方角を目標にして航行するという。湾内など、目標物がすぐ先に設定できるところとは違うコンパスを頼りに航行する方法を学ぶことに。
東扇島から離れつつしばらく航行し、ある程度進んだ後に今度は鶴見航路方面に向けて270°を目指して航行する。しばらくすると、前方右手に鶴見つばさ橋が見えてくる。ここまでくればあとは目視標的を定めつつ東神奈川の運河を目指す。
往復2時間程度のクルージングだったが、その間に、周囲に小型船舶が見えた場合の対処の仕方、いろいろなシチュエーションの場合はどう操船するかといった心得などを多く学ぶことができた。貴重な体験でした。
そして何より、真冬のピキンと張りつめた空気が気持ちよく、かつ、波が全くない東京湾の航行は緊張しつつも気持ちよいクルージングなのでした。


