SoYuDCPower開発(35) 不具合改修2

301基板5号の回収作業に入る。バッテリ電圧が十分出ているにもかかわらず、起動しないという症状。これは、過去の経験上、電流計測のシャント抵抗破断に起因すると想定される。確認するとまさにそれ。10mΩ抵抗を交換して動作確認すると、な、な、なんと!!!5号基板も電流計測ができていないことが判明。

ただ、これまでの不具合の確認作業の中で、3号基板は一度だけだが電流値過多で停止したことがある。その際には、電流値がOLEDディスプレイに表示されたので、電流が全く測定できていないわけではなさそうでた。4号、5号の不具合とは少し違う原因かもしれない。

電流計測回路周辺の部品を念入りに半田付けし直したが、状況は変わらず。もう少し詳細に調べないとならないようだ。

「A_BAT」はCPUのpin9に入りAD変換して電流値を取得する仕組み。コントローラのバス側端子に抵抗を接続して適正な電流値が出力されるかどうか確認してみると、500mV程度の電圧が出ている。抵抗値を変えると応じて電圧も変化する。その変化をCPUが認識できていないということは、CPUのpin9ポートの不具合の可能性がある。CPUは、PIC16F18346を使っている。pin数が20本あるのでちょっと面倒だが、新品のICに交換してみる。当然プログラムを焼かないと動作確認ができない。面倒である。

好感して、プログラムを焼いて、動作状況を確認すると・・・・・・不具合の状況はまったく変わらない。CPUに原因があるわけではなさそうだ。

再度、よく回路図を確認する。この回路を設計したのは2022年だからもう3年も前のことであまり覚えていない。記憶をたどっていくと、充放電で電流の向きが変わる。それを双方向計測できないとならないので、電流計測回路から取得できるシャント抵抗による電位差がプラスとマイナスになっても、きちんと把握できるように、OPアンプを配置して、±電源を入れ、CPUに入力する前段で中心が+2Vになるようなオフセット回路を配置したことまで思い出した。

となると、本来であれば2V程度の電圧がCPUに印加されるように設計してあるはずでる。しかし、実際には0.5V程度となっており、明らかに電圧値が低すぎる。オフセット電圧を作っているのは、R16、R17の分圧抵抗。値を確認すると、な、な、なんと!! R16が7.5kΩしかないではないか!完全な基板作成時のミスだ。R16を75kΩに変更して正常に動作することが確認できた。それ以外に、MosFETやTVSも調べたが、特に不具合はなさそうだ。

かくして以下のように4セットのバッテリで構成されたオフグリッド直流電力システムがようやく正常運用に復帰したのでした。

(1) Konce LiFePO4とバッテリコントローラ301基板(新規3号):シャント抵抗と電流計測回路改修
(2) ACDelco M31MFx2と301基板(新規5号):電流計測回路改修
(3) EC-EV500D5Ax2(1,2)と301基板(改修2号)
(4) EC-EV500D5Ax2(3,4)と301基板(新規4号):電流計測回路改修

今回はシステムダウンという大きな障害を経験したが、何とか2日ほどで完全に復旧させることができた。ひとまずほっとした。

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