気象観測装置開発(5) 超音波送受信

今回は超音波センサとして送受一体型40kHzのもの、具体的には易声電子(E-SOUND)のEU10AIF40H08Aを採用した。直径10mmの円筒形のものだ。

端子は2本。これで送信と受信を行うことになる。つまりは信号線に送信信号と受信信号が重畳されて観測される。今回の利用方法は、別のセンサが発した送信信号を対になった他方が受信する形となる。

東西南北の風向をセンシングするため、2個を対にしたセンサを2組が直交するように配置されている。これらのセンサからの超音波を当時に出したら正しく観測されないので、順番に超音波を吹き受信できたら次のセンサが超音波を吹くようにプログラムで制御する。

超音波とは40kHzの矩形波をプログラム的に生成して発出する。超音波センサには何ボルトの40kHz波を入れればよいか。仕様では「40Vp-p、最大120Vp-p」と記述があ。4個の超音波センサそれぞれに個別にドライブ回路を設けると回路が大きくなり基板が大きくなるためアナログマルチプレクサで切り替えるように構成した。

左上が送信波ドライブ回路、左中央が受信回路、TC4052がアナログマルチプレクサ、右のコネクタの先に超音波センサが4つ繋がっている。TC4052の耐圧の関係で超音波信号が15Vp-pとかなり小さくなってしまい、これが受信波のレベルにどれだけ影響するか。SN比が十分とれるかが課題。実際にいろいろなポイントで波形を観測すると、以下の通りに。

上黄色が送信波形、下青が受信波形である。送信波の波数を増やすと送信に時間がかかり、受信波と重なってしまう問題がある。また、最後の波形で顕著に表れているが、送信波によると想定されるノイズが受信波に表れており、受信波の最初と重なってしまっている。

なかなか一筋縄ではいかないことがわかる。これをどのように調整して正確な受信波を得られるのか、実験的な検討作業がまだまだ必要そうだ。

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