久高島訪問記 其の5 (8)

- ウパーマにとみぃを弔う -

2006年2月25日(土) つづき

八光舎

集落の一角に、ちょっと不思議な空間がある。オープンな住宅。部屋の中には、イザイホーのグラビア本などが無造作に置かれている。

人手が加わっていることは確かなんだけど、ここで、島に人と会ったことはない。どういった場所なのか、不明。でも、何となく立ち寄りたくなる雰囲気があるところ。

うゎーふーる(豚便所)

「昔、昔、水洗トイレがなかった時代に、豚小屋の上にトイレがしつらえてあった。」をいう話を耳にしたことがある方は多いと思う。

『おきなわワールド文化王国・玉泉洞』には、遠い昔の沖縄文化を伝える家屋などが保存されている。そこで初めて豚小屋トイレの実物を見たときは、ほぅ~~と、ちょっとした感動があった。(天の声:くだらんことに感動するな!)

そして、それを沖縄で呼ぶ『うゎーふーる』という単語が卦体に心に刻みつけられた。(天の声:記憶はもっと有効に使え!)

ちなみに、「うゎー」=「ぶた」、「ふーる」=「便所」である。

久高島の集落をふらふらと歩いていると、民家の庭先にある構造物に目が釘付けになった。そう。うゎーふーるである。しかも、現在人が居住している民家の軒先にそれは存在しているのである。

「ま、ま、まさか、今でも・・・・・?」と、のぞいてみると、さすがに、今は利用はされていないらしい。豚もいない。

そう言えば、久高島では、豚を見かけたことがない。ネコはやたら目につく。まさか、豚の代わりにネコ??? だとしたら、「うゎーふーる」ならぬ「まやーふーる」?

そんなわけ無かろうに。

こんなものに、感動を覚える人が、私以外にいるとは思えないのだが、
とみこにまで紹介してしまった、私っていったい・・・・・・・

とくじんで腹ごしらえ

ちょっと早めではあったが、とくじんで夕食を取ることにした。

とみこには、海ぶどう丼定食を勧め、私はイカスミ汁定食。オリオンで乾杯!

とくじんの雰囲気が、昔に比べて、ちょっと変わった? たまたま働いている方のキャラなのか。以前は、もうちょっとフレンドリだったような気がするんだけど。

私たち以外の客もおらず、ちょっと寂しい食事となった。やはり、しまんちゅの乱入がないとおもろくないなぁ。。。

三線オンステージbyとみこ

交流館に帰ってから、シャワーなぞ浴びてちょいとくつろぎつつ、ホールをのぞいてみると、角にいらぶーの燻製が束になって積んである。

そうか。バイカン小屋での燻製が復活したんだ。それにしても、高価なものを、こんなに無造作に置いておいて、だいじょうぶなのかしらん。
持って行こうと思えば、簡単に持って行けそうな、そんな具合に置いてある。

手に取ってみると、意外とどっしりとし、身がびっちりつまっている感じ。

とみこもやってきたので、入口横のテーブルでとみことゆんたく。島酒「翔」をなめながら。。。

せっかく、三線を抱えてきているんだから、と勧めると、最初はいやいやしていたとみこではあるが、意を決したのか、準備を始めた。さすが、民謡酒場で修行を積んでいるだけのことはある。

安里屋ゆんた、安波節、19の春、島唄などメジャーどころを歌ってくれた。お・・・・このぐらいなら、私も弾けるぞ~とは思ったが、やっぱり、聞いている方が好きかな。

ちょっと離れたところに、しまんちゅと思われるおじさまが二人、ビールなど飲みながら聞いていたが、あえて声はかけてはこなかった。

その後、しばし、三線談義など。三線の胴に張ってあるのは、ニシキヘビの皮だが、とみこの三線は、あえて皮が1枚のものだという。通常は二重にして、丈夫にしてあるらしい。でも、その分、音の張りが犠牲になってしまうと言う。1枚だと、澄んだ音が出るが、裂けやすいので、扱いが難しいと。

ゆんたくしているとき、テーブルに立てかけていた三線が倒れ、そのはずみに、糸巻きを床にぶつけ、糸巻きの先が折れてしまった。すごく悲しそうなとみこを見て、申し訳ないことしたと、ちょっと思った。

そうそう。今回は、とみぃのことで、坂本さんとも話がしたかったので、ゆんたくの途中で、となりの留学センターをのぞきに行った。すると、広間に、ちょうど坂本さんがおられるのが見えた。私が、顔をのぞかせると、ちょっと驚いた顔をした。簡単に挨拶をかわし、時間があいたら交流館で・・・とお誘いした。

とみことは、引き続き、ゆんたくに花を咲かせた。おやじさんがアイスクリーム屋の社長であり、夏場は手伝わされるが、たいへんな激務であることなどなど。

そうして、夜は更けていくのであった。あ・・・・・翔のボトルが、そろそろ空いてしまう。。。。               つづく。。。。。

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