沖縄の夜の世界 その5 最終回

ここに来て、今まで部下(創結マスター)の手前、羽目を外すことのできなかった所長がついに切れた。

M嬢を自らのとなりに強引に引き寄せた。M嬢もさすがプロである。顔はお客さんを軽くいなすような表情を見せつつ席を移った。しかしそれとは裏腹に、テーブルの下の指はねっとりと余韻を残して去っていった。

その後の展開は想像にお任せする。

ただ一人素面(しらふ)の私はひたすら時の過ぎるのを待つだけだった。

小一時間経ち、さすがに騒ぎ疲れたのか、ようやくお開きとなった。

お店の前で3名のVIPをタクシーに押し込み、ママ、M嬢と見送った。

ママに「お疲れさま」とねぎらいの声をかけて頂いたが。。何もなく、ドライに夜の闇へと放り出された。

頭を冷やしつつ歩いていると、松山の交差点あたりで、呼び込みのお兄さんに声をかけられた。手を振って通り過ぎつつ、今し方の惨状を思い返してみた。そして、最初に所長が言った「割烹キャバクラ」に妙に納得した。

しか~~~し、よく考えると普通の割烹をキャバクラにしたのは、自分たちだろうに!

道ばたの自販機でうっちん茶を買い渇いたのどを潤し、一人寂しくホテルへと向かったのだった。。。

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